女子大生が露出狂に出会った時の話
あれは私の女子大生時代
バイトやら飲み会やら、自分で多忙なスケジュールにしておきながら
ぐあいわるい😭つら
などとSNSで体調不良をアピールして講義を休んでいた頃の話だ。
その節は誠に申し訳ございませんでした。
私の住んでいる地域はまあまあ治安が悪い。
不審者が出たという話はたまに聞いていたけど、実際にあったことはないので
またか~最近多いな。くらいにしか思っていなかった。
まさか自分が遭遇することになるとは。
それはサークルの飲み会帰りのことだった。
駅から家までの道のりには公園があり、
公園の外を通ると遠回りになる。
深夜の公園というのはなかなか怖いものだけど、その時はほろ酔いで良い気分だったので
公園の中を通って近道することにした。
小さい頃はよく遊んだな~などと思い出に浸りながら歩いていると、
前の方のしげみが揺れた気がした。
恐怖を感じるまでもなく、そのお方は私の視界に現れた。
そこにいるのは馬だった。
正確には馬の被り物を被った男性だった。
こういうやつ。
被り物を被っているのになぜ性別がわかったかというと、
言うまでもなく彼が全裸だったからである。
コンセプトがわからない。
そしてこんなこと言うのもなんだけど
お馬さんのお馬さんはバッキバキに
トランスフォームしていた。
(これに限っては今なら若干笑える。)
一瞬、時が止まったように感じた。
酔いが急激に冷めていくのがわかる。
こういう時、咄嗟に声が出ないと聞く。
実際私も
ええええぇぇぇええええええ?!!
今世紀最大の声が出た。
恐怖というよりも驚きの色が強い叫び声が出た。
マスオさんもびっくりだ。
そして頭で考えるよりも先に、足が動いた。
タイトスカートにピンヒールという服装をものともせず、一心不乱に走った。
小中高リレーの選手はダテじゃない。
幸いそれ以上何も危害を加えられることなく、私は無事に自宅に着くことができた。
『おかえりー、あんたどうしたの』
血相を変えて帰ってきた娘を前に、母は流石に心配していたようだった。
『う、うま……』
『え?馬?』
『馬が おちん●ちん出して……』
母の方が怖がっていた。(私を)
当時不審者の情報はちらほら聞いていたけれど、馬の露出狂に会ったという話は聞いたことがなかった。
今なら笑って話せるけれど、
暗闇の中、街頭に照らされた馬の被り物を思い出すと、薄ら寒いものがある。
あれはひょっとして、何かの精霊とかの類だったのだろうか。
精霊様に対して、お馬さんがトランスフォームなどとアホなことを言ってバチが当たらないだろうか(そこかい)
でもあの変態に出会ったのが、私じゃなくて
いたいけな女子小学生とかだったら一生物のトラウマになったかもしれないので(馬だけに)
私たちは出会うべくして出会ったのだと思う。
みなさん夜道を歩く時は気をつけて下さいね。